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裁判例


■ 裁判【例3】
■ パチンコ攻略法の情報売買は公序良俗に反して無効である等として、全額返還を命じた判決/神戸地裁尼崎支部 平成21年2月27日(確定)

 本件は、会社員である40代の男性が、株式会社日本リサーチ攻略データバンクとの間で、08年3月25日から同年5月1 1日までの間に、11回にわたり、合計699万2000円を情報料として支払ったことに対して、消費者契約法、民法90条 等に違反するとして、全額の返還請求をした事案です。  原告が、複数回にわたる支払いをした背景としては、被告が階級会員制を設け、上級会員(シルバー、ゴールド、プラチナ)に なればなるほど確実で特別な情報を提供できるとして勧誘したという特殊事情があります。なお、過失相殺がなされることを防 ぐため、不法行為に基づく損害賠償請求は主張しませんでした。  本判決では、被告は、当初の広告、資料等において、一般には知られていない特別なパチンコ攻略情報を被告が所有しているかの如く誤信させただけでなく、上級会員になればなるほど確実で特別な情報を提供できると強調して巧みに誘導し、11回にもわたり、多額の入金をさせたのは被告が断定的判断の提供をし、原告を誤信させたに他ならないとして、消費者契約法第4条1項2号に基づく取り消しを認めました。

 また、本件で原告は、購入した情報の成果を把握するために、機種ごとに成果一覧表を作成しており、実際には何ら成果も生じていませんでした。

 そこで、本判決では、パチンコ攻略情報は、将来における変動が不確実な事項に関するものであり、実際、原告は、被告から受けた情報に基づきパチンコを行ったが成果が得られず、そもそも、原告が購入した情報は、正当な科学的根拠がある情報ではなかった可能性が非常に高く、かかる不確実で根拠が薄い情報の対価として高額の金銭を要する契約は、公序良俗に反して無効であると判断しました。  パチンコ攻略情報という不確定な情報を購入すること自体、購入者に過失がありと判断されそうですが、本判決は、消費者契約法、公序良俗で無効とし、全額認容したことは意義があるといえます。

 なお、同じ被害に対する判決として、派遣社員男性が、情報料計386万円の返還を求めた訴訟で、大阪地裁平成21年3月4日判決は、「攻略法の効果はない」と認定し、同社に全額の返還を命じています。
※日弁連 消費者問題ニュース130号(2009年5月)記事を一部引用

■ 裁判【例2】
「パチスロ攻略法詐欺」判決 / 名古屋地裁 平成19年1月29日判決(確定)
1.事案の概要
  被害者は、パチンコ雑誌に掲載されていたパチスロ攻略法の情報提供会社の広告を見て興味を持ち、この会社に電話しました。
この会社の特徴は、従業員が客の目の前で実際に攻略法を実演することなどです。従業員は実際に被害者に会って勧誘し、会員登録料 と情報料116万円を支払わせます。被害者は買った情報で何度もパチスロをしますが一向に当たりません。なお、従業員も一緒に ホールに行ったのですが当たっていません。被害者が電話で文句を言うと、「やり方が悪い、もっと上のランクの会員になれば簡単な攻略法を教える」と逆に勧誘され、被害者は契約してしまいます。同じ事を計4回繰り返し、合計約480万円を会社に支払いました。
2.訴え提起
  被害者は、全く当たらないことから騙されたと気づき、訴えを提起しました。パチスロがギャンブルである以上、必ず勝てる攻略法は存在しないのです。ないものを売っていることは詐欺以外のなにものでもありません。
裁判所に本件が詐欺であることを認定してもらうため、パチスロ機製作メーカーに弁護士会照会をし、攻略法がない旨の回答書をいただき提出しました。ただ、不法行為を認定してもらっても過失相殺がなされる危険があります。そこで、断定的判断の提供を理由に消費者契約法による取消を主張しました。ですから、法律構成としては、消費者契約法による取消しの不当利得返還請求と不法行為に基づく損害賠償請求の選択的併合にしました。
3.判決
  判決は、断定的判断の提供を認め、会員登録料、情報料合計488万2000円の返還を認めました。さらに、会社の提供した攻略情報は全くの虚偽であると推認することができると認定し、不法行為責任も認めてもらった結果、弁護士費用48万円の賠償についても認容されました(過失相殺なし)。

※日弁連 消費者問題ニュース117号(2007年3月)記事を一部引用

■ 裁判【例1】
パチンコ攻略情報の売買契約に際して売主から「100%絶対に勝てる」等の勧誘を受けた買主がした消費者契約法四条一項二 号所定の「断定的判断の提供」を理由とする当該売買契約の取消しが認められた事例 / 東京地裁 平成17年(レ)第253号(確定) 【概 要】
雑誌で、パチンコ攻略法販売の広告を出していた会社に対して、被害者が支払った67万2000円の返還を
命じた。「(勧誘において) 本来予測することができない出玉の数について断定的判断を提供した」 とみなしたもの。 判決文によると、 被害者は、「勝ち組100%確定」などという広告を見て(販売)会社に連絡。その際、(販売)会社の担当者は、「情報代金は数日あれば全額回収できる」と将来の利益が確実だという趣旨の言葉を用いた。 裁判所は、こうした勧誘行為は、“消費者契約法”が契約取消し要件と定める
・「重要事項について事実と異なることを告げること」(消費者契約法四条一項一号)
・「将来における変動が不確実な事項について断定的判断を提供すること」(消費者契約法四条一項二号)に該当すると判断したもの。